今週は『ロミオとジュリエット』をとりあげましょう。
この戯曲はあまりにも有名で作者を知らない人はさすがいないでしょう。原語版を一度見る機会がありまして読んでみました。はっきり言ってぜんぜん判りませんでした。古典なんですね。同じ英語でもぜんぜん違うんですよね。日本でいうところの古典を読むようなものなのですね。それでもこの作品は手を換え品を変えて現代でも古くは感じさせないものになっています。すごいものです。ということで、この作品のイロイロを取り上げることにしました。
クラシックの世界では前のブログで紹介したベルリオーズが作曲を手がけ、更にプロコフィエフのバレエ組曲『ロミオとジュリエット』がこれまた有名です。残念ながら私はバレエでは見たことはないのですが、巷にはいろいろ出ておりまして、人気のほどがうかがえます。
ミラノ・スカラ座バレエ団「ロミオとジュリエット」(マクミラン版)全幕(5030円)と パリ・オペラ座バレエ - ロミオとジュリエット(6300円)が国内では人気のようです。
作品に忠実に作られた映画『ロミオとジュリエット』(1968年<昭和43年>)が公開されたものは私たち中年には心に強く焼き付いています。オリビア・ハッセーが実に可愛いかったですね。後に歌手の布施明の妻に納まったのが不思議でならかったのは私だけでしょうか。離婚してしまったことに妙に頷いてしまいました。そんなことはどうでもいいのですが、このときの相手役、レナード・ホワイティングも美男子でした。当時演じた二人は17歳と15歳でした。その初々しさはこの若さだけに演じられる境地なのでしょう。
この作品を更に質のいいものにしたのは音楽です。ニーノ・ロータによるものでしたが実に切なく綴られた曲でした。現在でもよく映画音楽として取り上げられます。
ここまでが、原作忠実派としたら、これから二つ取り上げるのが、異質版となるでしょう。
『ロミオとジュリエット 1996』
今大活躍中のレオナルド・ディカプリオがこの作品に主演しています。それも現代に置き換えて。モンタギュー家とキャピュレット家を対立するギャングという設定に変え、ロミオはアロハシャツ、剣を銃に、しかしながら台詞はしっかりシェイクスピアというもの。扱い方によっては『ロミオとジュリエット』という作品はなんとでもなるというものを世に示した名作(迷作?)でした。
これとは全く台詞も違う、舞台設定も違う。それでいて音楽は素晴らしいものに仕上げ、世に問うたのがミュージカル『ウエスト・サイド・ストーリー』でしょう。アメリカもダウン・タウンに対立するイタリア系移民のジェット団とプエルトリコ系移民のシャーク団という設定で登場人物の名もトニーとマリア、繰り広げられるストーリーは軽音楽いっぱいの作品でした。クラシック界の大指揮者レナード・バーンスタインの作曲によるものです。この作品は随所にオペラの手法が使われ、音楽的に質の高いものに仕上げています。ひとつ例を挙げれば作品の最も最高潮の場面、決闘に向かうそれぞれの人間たちの思いを同時に歌い上げる五重唱というのはオペラそのものです。この作品に使われるほとんどの楽曲が有名です。口から次々と楽曲がついて出る方も多いのではないでしょうか。
最後に、日本での『ロミオとジュリエット』を採りあげましょう。去年、12月東京、日生劇場で蜷川幸雄氏の演出、ロミオ役:藤原竜也、ジュリエット役:鈴木杏による舞台公演がありました。藤原竜也の若々しい情熱的な演技が注目され大成功を納めました。私は彼については遠藤周作の作品『さぶ』に出ていた彼を思い出すのですが、とっても目の印象的な俳優だなあと思いました。舞台の一部をどこかのテレビで見ましたが、声が前に出て言葉がズンズンと胸に響きました。注目度今一番の俳優だと私は思っています。
彼のこの舞台がこの7月にDVDソフトとなって発売されます。

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これを見ると日本の『ロミオとジュリエット』もまんざらではないと思います。蜷川幸雄演出のすごさもこの舞台を成功に導いたことはいうまでもないのですが。
こうして作品『ロミオとジュリエット』をあらゆる形から見ても決して古さを感じないのは何なのでしょうか。この作品は悲劇に終わります。『死ぬ』という終焉の形が美しく果かなさが尊いのではなく、人を愛するという『情熱』が心を揺り動かすのでしょう。どの形態をとっても二人が交わす言葉の全てがアツイのです。二人だけに流れる言葉のそれぞれが音楽のように心の中に奏でられ私たちは酔うのだと思います。大人同士の恋の駆け引きなどというやぼったいものは微塵もなく純粋に『恋に堕ちる!』ということに憧れを持つのでしょう。
私も50を越えるとそんな純なものには、もう懐かしさの域に達した自分が悲しく思えます。とはいえ、そんな燃えるような恋を経験したわけではありませんが、人並みの恋をし、結婚をし、子供を育てあげているうちにあの『恋』というものは遥か彼方に行ってしまいました。後は<老いらくの恋>を待つだけなのでしょうか?いえいえ、カミ(妻)さんにこう言われて殴られてしまいそうです。
「恋は無くなっても愛は不滅です。あなたにはよもや、もう愛のかけらも無いのですか?!」
…うう~む!参った!
ちぃ~っとも音楽ブログらしくなくなってしまいました。とりあえず、今までに挙げた作品はそれぞれ次のサイトから購入できますよ。勿論、物語に付随した音楽もしっかり楽しんでください。
ミラノ・スカラ座バレエ団「ロミオとジュリエット」(マクミラン版)全幕
パリ・オペラ座バレエ -「 ロミオとジュリエット」

レオナルド・ディカプリオの『ロミオとジュリエット 1996』

オリビア・ハッセーの『ロミオとジュリエット』

ウエスト・サイド・ストーリー(映画版)
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